宝もののロゼットをヘッドドレスに。
花咲くかたちを描く、深いブルーのベルベットの艶から伝わる温度。クリアブルーの十字は、氷のクリスタルのきらめきを宿して。
まさしく、ガゼル様のイメージがぎゅっと結晶になったような、一生ものの大切な宝ものです。もうずっとずっと大切に森に飾っています。
淡雪のレースとあわせたら、ダイヤモンドダストのヴェールが見えた気が。身のこなしの残像、指先の余韻、あとには氷の鱗片が物語る。
夜中にぼんやり光るガゼル様の横で。
(こいつが俺以外に見えていなかったらどうしよ)なんて、思うと同時に。
(それはそれでもいいか)となる。
なぐはる少年の永遠のロマンティックホラー。少し不思議な不気味さをひとつまみだけ隠し味に。
ある意味でホラー慣れしてるなぐはる少年からすれば。
「映画もテレビも全ッ然こわくないけど、お前が光ってんの見るのはちょっとこわい」
っていう感覚。まぼろし~。
それはつまり。
「おばけも宇宙人もこわくないけど、おまえはちょっとこわいな」
って、回りくどいメッセージ。真意は伝えず、でも、ひと言伝えておかないと。
まぼろしの言葉はまどろみの中に。
「こわい映画なんて、まったくもってこわくないよ」
そう言うものの、それは開始30分くらいでポップコーン食べ終わったら寝てるんだ。
それでいて、すっかり本人の中ではラストシーンを知ってることになってる事実が一番のホラー。こわいなこわいな~。ゾゾゾ。