性別の概念はお砂糖ふりかけて食べちゃいました。
すべて、砂糖漬けにして融かして。
ガゼル様の性別は「ガゼル」ということ。無性別のSDGr夢天使ボディ(PSホワイト)
森の魔女(男子)は魔法を操る。
瞳のまばたき、おすましの唇、あい変わらず何言ってんだかよくわからない、一人称が「わたし」の、ふふふと笑う声。
その魔法をかけられてしまった人だけが知っているもの。
森を統べる妖精か魔女(男子)か、正体は深淵なる冷気の中に。
森に射す陽光に身を委ね、鱗がきらきら映る眩しさ、そのオーロラに自覚なく。
森の胞子はぼんやり光って、風の音がどこかで微笑む。
花の蜜と草の露と、雪融け水で潤みを帯びる。
今日、拾ったどんぐりを数えて眠る。
帰ってきた晴矢が机の上に並ぶ数粒のどんぐりを見て(まじか…増えてる…ウケる…)って嬉しそうに。
たぶん、きまぐれで晴矢も何かしら拾ってきて、そのどんぐりの列に足してみても気付くかどうかはわからない。
本人は満足気である。
ガゼル様の胸元にまあるく光る石が見えるよう。
それはきっと晴矢にも。
森の奥底で誰かを待っていたはずなのだけれども、わからない。
何をどこまで覚えているのかなんて、本人だって定かじゃない。
「わたしはガゼル」のひと言さえあればいい。
なにぶんこのかたスカウト条件が究極のゆきだるまでして。
あとアイスキャンディーの話題も、ぬくもりマフラーも欲しいらしい。氷の結晶といえるような存在でありながら、ぬくもりマフラーというところに哲学を感じる。
もしかしたら、案外、寒がりなのかもしれない。
なんだか少し肌寒い気がすると、毛布に包まる中では素肌で、そういう矛盾は天性のもの。
昨日の天気は覚えてないだろうけど、食べたもののことなら、きっと、記憶の彼方の奥の辺りに。たぶん。
まずそもそも何を覚えておくべきかが曖昧なまま。
晴矢が覚えているだろうから。それでいいって。
ぶどうをひと粒ひと粒お召し上がりになる様を眺めるひとときこそが秋の味覚。
その指でつまむ果実ひと粒も、宝石のきらめき。